ドクターズVoice
2023.12.27
幸せホルモンのおはなし
陣痛を促すホルモンに『オキシトシン』があります。
子宮の収縮により分娩が進行し、出産後は子宮の回復を促す作用のあるホルモンです。
母乳の分泌を促すとともに、赤ちゃんの抱っこや乳頭の刺激により分泌が促進され、母乳を通して赤ちゃんにも享受されます。
脳から分泌されるオキシトシンが『幸せホルモン』と呼ばれる理由はどこにあるのでしょう?
オキシトシンには抗ストレス作用とともに、母性を形成するのに重要な役割があるとされています。
母性を育むホルモン
赤ちゃんへの愛情から生まれる母性行動が増加します。
赤ちゃんはオキシトシンの作用で母親を追い求める行動が促されます。
母児の絆は深まり、母乳が分泌され、おっぱいをあげることで母性がふくらみ、安らぎや信頼感が増え、またオキシトシン分泌が促されるという良い循環が生まれます。
抗ストレス作用
精神的な安らぎを与える神経伝達物質の働きが促進され、人との交流や社会行動への不安を減少させ、他人に対する信頼感を増加させる効果があります。
☆自閉症やうつ病を改善する効果もあると報告されているくらいです!
WHO(世界保健機構)では生後6か月まではおっぱいだけで十分で、少なくとも2歳までは授乳を続けましょうといわれています。
お仕事しながらでも授乳は可能ですので、いつでも当院の産後ケアステーションでご相談ください。
お産が始まったら、この『幸せホルモン』はしっかり分泌されますから、陣痛の間欠時には赤ちゃんとコミュニケーションを取りながら、絆を深めるよう過ごしましょう。
妊娠期にソフロロジー法で練習してきた呼吸法とイメージトレーニングにより、出産後には精神的な安らぎもより感じられることでしょう。