ドクターズVoice
2025.2.12
幸せな出産のしくみ〜後編〜
オキシトシン-エンドルフィン効果
赤ちゃんの分泌されるホルモンから受け継いで子宮の収縮を引き起こすオキシトシンが分泌されると、次第に分娩が進行し、赤ちゃんと対面する時が近づいてきます。
それと同時にβ-エンドルフィンという脳内モルヒネが分泌され、陣痛の痛みに対して鎮痛効果を発揮します。
βエンドルフィンは、子宮口が全開してから赤ちゃんが産まれた直後最大に分泌され、ソフロロジー式分娩で心と身体がリラックスした状態でより多く分泌されます。
オキシトシンの効果
陣痛を引き起こすとともに、愛情ホルモンとも呼ばれ、母児の愛着形成を促し、抗ストレス作用があります。精神的な安らぎや人に対する信頼感を増加させます。
出産後はおっぱいを出す作用もあり、授乳により益々母児の絆が深まり、愛着行動が増加します。これは一生大切な母児関係に繋がり、子どもの身体の成長だけでなく、心と脳の成長も促されます。
βエンドルフィンの効果
脳内モルヒネと言われ、鎮痛作用や満足感・多幸感・恍惚感と健忘作用を併せ持ちます。
鎮痛効果も強く、赤ちゃんが産まれた後にはその陣痛の痛みを忘れ、幸福感と恍惚感に包まれるのです。
ヒトの身体には、陣痛の始まりから赤ちゃんが産まれるまでに、赤ちゃんとの絆を深めたり陣痛の痛みを緩和させるしくみが整っています。この効果を最大限に発揮させるためのソフロロジー式和痛分娩で、喜び一杯の出産の経験をどうぞ体感して下さい。
オキシトシン-エンドルフィン効果を阻害するもの
・薬剤を使用した分娩(無痛分娩等)
・大きな不安や極度の緊張
・陣痛を待てない分娩