ドクターズVoice
2024.2.19
和痛分娩と無痛分娩~赤ちゃん編~

産まれてくる赤ちゃんと出会い、新しい家族を迎えることは感動と幸せをもたらしてくれます。
この喜びと感動のために乗り越えるのが出産という大事業です。

陣痛

陣痛の始まりとともに分娩は開始します。
子宮は平滑筋という筋肉でできています。赤ちゃんが育つにつれて子宮筋が進展し、子宮も増大します。

陣痛とは、赤ちゃんが誕生するために、この子宮の筋肉が収縮することに他なりません。

この陣痛は、ママにとっても痛いですが陣痛という子宮収縮を全身で受け止めているのはお腹の赤ちゃんです。

ソフロロジーの積極的呼吸法

陣痛発作時には、子宮の収縮とともに、子宮の血管が圧迫されて胎盤の血流が低下します。

そうすると、赤ちゃんへの酸素の供給が一時的に滞ります。

この時にソフロロジーの積極的呼吸法で子宮を弛緩させ、赤ちゃんにしっかり酸素を送り込んであげると、赤ちゃんはママと一緒に順調に陣痛を乗り越えられます。陣痛により子宮口が開いてきて、赤ちゃんに会える時間が近づいてきているとイメージしていきます。

そして次の陣痛までの間、収縮はおさまって胎盤への血流は再開されます。

この時には、リラックスして赤ちゃんとコミュニケーションをとりながら、次の陣痛に合わせて酸素を送る準備をしていきます。上手に呼吸ができて、酸素が十分な状態で産まれると、赤ちゃんは産まれた直後からとても顔色が良く、元気な状態であることが多くなります。

産まれてすぐの赤ちゃんは、生きていくのに必要な酸素や栄養を、この瞬間から自分で取り込まなければなりません。

第一呼吸で肺が膨らみ、酸素を取り込み、またこの酸素を全身に送り込むという、呼吸と循環の状態が急激な変化が起こります。

産まれるまでの赤ちゃんは、生きていくのに必要な酸素はお母さんから胎盤やへその緒を通って送りこまれます。そのため子宮の血管が圧迫されたり、胎盤の血流が低下することで、低酸素状態になることがあります。

無痛分娩

無痛分娩で硬膜外麻酔薬を投与することは、 胎盤の血流低下を引き起こす原因の一つとなります。

この時、胎児心拍陣痛図で赤ちゃんの心拍を確認すると、一過性徐脈が見られることがあります。薬剤により、お母さんの痛みは軽減しても、赤ちゃんのストレスが引き起こされるとも考えられます。

ただし、この一時的なストレスがどのような予後を もたらすかはわかっていません。長期的な予後は、 赤ちゃんが成長してからでないと分からないからです。

2023年に米国で、硬膜外麻酔による無痛分娩で 出生した赤ちゃんは、自閉症スペクトラム障害の リスクが上昇すると研究報告がありました。 赤ちゃんの長期的な脳への影響も心配されています。

一方で、ソフロロジー 式和通分娩は子宮を弛緩させて、子宮胎盤の血流が改善されるため、胎児心拍陣痛図で赤ちゃんの一過性徐脈が改善する様子がしばしば見られます。このことからも、赤ちゃんのストレスを軽減できる方法だといえるでしょう。


妊娠中から、 音楽を聴きながらイメージトレーニングや呼吸の練習をしていきましょう。

方法は、ソフロロジー式ハッピーママ教室 でお教えします。