百日咳ワクチンについて

百日咳の増加傾向により、乳児期感染について妊娠中から心配される方がいらっしゃるかもしれません。

日本では、 百日咳に対して乳児への百日咳含有ワクチン(3 種混合ワクチン DPT や 4 種混合ワクチン DPT-IPV)の定期接種が生後 2 か月以降に実施されています。

オーストラリアや欧米諸国では、妊娠後期の妊婦に百日咳含有ワクチン(Tdap)を接種することで母体から乳児への移行抗体を増加させ、乳児の重症化を防ぐいわゆる「母子免疫ワクチン」が推奨されています 。

しかし、現在日本では Tdap は認可・販売されていないため、個人輸入する方法はありますが、副反応発生時の対応など課題が多く日本での母子免疫ワクチンは進んでいません。

そこで、代替接種として定期接種で導入されてきた百日咳含有ワクチンのうち、3 種混合ワクチン DTaP(トリビック)の妊婦への皮下接種が考えられます。最近の厚生労働省研究班により、妊婦への DTaP 皮下接種の安全性と乳児への百日咳に対する抗体移行が確認されています が、妊婦への DTaP 皮下接種による乳児百日咳の重症化予防効果は証明されていない現状です。

もし、乳児期の百日咳について心配があり、妊娠中のワクチンについてお知りになりたい方は、どうぞご相談下さい。